スパイク(ニューバランス製) 今季初お目見えのスパイク。両足裏には愛犬デコピンの愛らしいイラストがデザインされており、その愛が伝わる(写真:AP/アフロ)
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 MLBで投打ともに傑出した成績を記録してきた大谷翔平選手。2025年シーズンが開幕し、そのプレーに視線を注ぎがちだが、プレーを支える使用道具にも注目したい。中でもグローブ、スパイクのデザインにはこだわりが見られる。AERA 2025年3月31日号より。

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 大谷翔平にとってはスパイクも重要なアイテムだ。昨季は打者専念で59盗塁を記録。今季は二刀流復活も見込まれ、ダイヤモンドを駆けるだけではなく、マウンドを踏む足元にも注目したい。

 大谷は23年からニューバランスと契約しており、スパイク、グローブ、バッティンググローブ、ベルト、プロテクターの提供を受けている。「Ohtani v1」は大谷の要望を取り込んだシグネチャースパイクだ。ニューバランスジャパンの担当者はこう話す。

「大谷選手が最も大事にしたいとこだわられていたのは『立ち感』でした。スパイクを履きながらもいかに素足の感覚を感じられるかを重要視されていました。盗塁や走塁、投球、打撃時の挙動のすべてのスタートとなる基本姿勢としての“立ち姿勢”のときに足裏全体で地面を感じたい、という点がポイントです」

 裸足で地面に立つ状態に近づけるために、踵とつま先の高低差をなくすレスドロップ構造になっている。

 そのデザインにも注目だ。かかと部分、あるいはシュータンにあしらわれた疾走する大谷のイラストロゴは、漫画『SLAM DUNK』の作者・井上雄彦さんによるものだ。

 また、昨季「50-50」達成時に履いていたスパイクの側面に愛犬のデコピンのイラストがデザインされていたことも話題になったが、デコピンは今季も健在だ。開幕戦でお披露目された新スパイクは、パンツの裾からちらりとのぞくかかと部分にデコピンの立ち姿が刺繍されており、なんと足裏にもデコピンイラストが施されている。しかも右足裏にはお座りするデコピン、左足裏には疾走するデコピンと、両足でデザインを変える溺愛っぷりだ。

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