
103万円の壁をめぐる大博打に、結果的に勝った?
昨年10月の衆院選にあたり国民民主党が打ち出した目玉政策が、所得税の減税だ。選挙後、国会運営のキャスティングボートを握ることとなった同党は、25年度予算案への賛成をバーターに「年収103万円の壁」を178万円まで引き上げることを与党に迫った。
しかし与党から出てきた最終見直し案は、年収に応じて控除額が変わる条件付きで160万円に引き上げるというもの。国民民主党はこの案を突っぱねたが、日本維新の会が賛成したことで衆議院を通過するにいたった。
この結末を受け、堀田氏は「与党との駆け引きに負けた玉木は、政治家としてはまだ若い」と感じた。だが、街頭などでの様子を見ていると、考えが変わったという。
毎朝のようにビラ配りをしている、立憲の代表・野田佳彦氏を引き合いに出し、堀田氏はこう話す。
「野田が一人で駅前に立ってもほとんど誰も足を止めないのに、玉木の演説にはわっと会場が沸き立つ。今も人気が衰えないということは、103万円の壁をめぐる大博打に、結果的には勝ったんだな。当分このバブルは続くと思うよ。次の参議院選挙でも議席を伸ばすだろうね」
支持者たちの様子を見る限り、玉木氏の元グラビアアイドルとの不倫問題も大きなダメージにはなっていないようだ。
16日の小金井での取材の際、堀田氏は玉木氏の演説を聞きに来た男性に「玉木はドスケベで困るよ」と話を向けたところ、「いいんだいいんだ」と返ってきた。女性にも聞くと、「そんなことはどうでもいいわ。玉木さんには立派な政治をやってほしい」と切り返された。
不倫問題への受け止めは、党内でも変わらないという。
「女性議員たちからは、なんてことをしてくれたのか、と怒りの声もあったけど、国民民主は一人親方の“玉木商店”。玉木がいなくなったら党が空中分解してしまうから、まあまあ、と触らないようにしている。前回の党大会の時だって、榛葉(幹事長)が臭い芝居をやってたもんな」