
「マンゴーは2万円するものもありますが、いい米でも価値に見合った値段が付いていません。米は量でその価値を測られることがほとんどで、米のおいしさを正しく評価できないからです。新しい指標を見つければ、採算の取れる米作りができるんじゃないかと、老舗の米屋『八代目儀兵衛』さんと共同研究で、おいしさを評価する新技法を確立して、昨年に特許を出願しました。この指標を全国に広げようとしています」
前出の農業ジャーナリスト山田さんは言う。
「工業で経済成長していた時代は、農業は衰退する産業で、農学を学ぶのは時代遅れだと捉えられてきました。ですが、工業による経済成長が停滞するいま、農業、食分野は、未来のある産業であり、堅調だと思われるようになりました。それが学生に支持されている理由でしょう」
(編集部・井上有紀子)
※AERA 2025年3月31日号より抜粋