ジムやウォーキングよりも気持ちいい

 先生は言った。

 「私は皮膚が弱いので、入浴剤を使わないと、皮膚がぱさぱさ、かゆかゆになり、とてもつらいです。ですから毎朝、入浴剤を湯船に入れます。入浴剤の効果は、温浴効果と洗浄効果ですが、保湿効果もあると思います」

 入浴剤は市販のものでいい。値段も高いものでなくていい。皮膚が「ぱさぱさで、かゆかゆ」になると、ストレスになるので、使うのだという。

 朝風呂、入浴剤、湯船での腰痛体操やマッサージはすぐに真似できる。ジムに行ったり、ウォーキングしたりといった手間とお金もかからない。認知症の予防にはまずここから始めるといいだろう。また、風呂は夕方でも夜でもいいが、翌朝も湯船に浸かることを勧める。要はリラックスすることだ。

 次回は食事の内容を見直して肥満を防ぐ話である。ひいては認知症のリスクが減少すると思われる。

(野地 秩嘉:ノンフィクション作家)

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