
「裁判に訴えた件だけがパワハラではない」
報告書を公表後、記者会見した弁護士で元裁判官の藤本久俊・第三者調査委員会委員長は、こう話した。
「問題の発端は知事が『うそ八百』『公務員失格』と発言したことにあると思う。調査未了の段階で、公に知らしめる必要はどこにもなかったと思う」
また、斎藤氏がパワハラは「司法が判断すること」と言っていることについて、藤本氏はこう話した。
「裁判に訴えられた件だけがパワハラかというと、それは違うのではないか」
斎藤氏の対応次第で再び不信任決議?
今後の注目は県議会と第三者調査委員会から、違法・不当な行為があったと認定された斎藤知事の進退だ。次の県議会は6月。県議会は再度、不信任決議案などで知事を追い詰めるのだろうか。
丸尾県議はこう話す。
「不信任決議案を出すかどうかは、2つの報告書に対する斎藤知事の対応次第でしょう。県民も2つの報告書によって、斎藤知事が県政を担うのは問題があることをはっきり認識したはず。住民運動、リコールや住民監査請求という声も聞きます。リコールはかなりハードルが高いが、住民監査請求ならできるという感じはあります。県議会の対応も、県民の動きによって変わってくるでしょう」
第三者調査委員会の藤本氏は、会見の最後にこう言っていた。
「県当局が、あとはご自身で考えて、自浄力を発揮してください」
一貫して、これまでの対応は間違っていなかったと主張してきた斎藤氏は、自らの態度を顧みて、改めることができるだろうか。
(AERA dot.編集部・今西憲之)

