
「斎藤知事は、第三者委員会を『最後の砦』として期待していた様子だった。それが、百条委員会以上に厳しい結論になり、さらに追い込まれている」
【写真】パワハラのきっかけにもなった「空飛ぶクルマ」に試乗する斎藤知事
そう、こっそり耳打ちしてくれたのは、兵庫県の幹部だ。
兵庫県の斎藤元彦知事らが昨年3月に、パワハラや「おねだり」など様々な疑惑を内部告発された問題で、県が設けた第三者調査委員会が3月19日に調査報告書を公表した。斎藤氏のパワハラ行為については、内部告発や職員アンケートで寄せられた情報にあった16件について調査し、10件を「パワハラ」と認定。これ以外に、斎藤氏が記者会見で元県民局長の内部告発について、「うそ八百」「公務員失格」などと非難したことも、「パワハラに該当する」と断罪した。
パワハラ認定について見解を変えた斎藤氏
斎藤氏は、告発されたパワハラなどの疑惑や、元県民局長の内部告発への対応について県議会の百条委員会から問われていたとき、
「パワハラかどうかは私が判定するより、百条委員会とか第三者委員会が判定するものだと思います」
などと語っていた。しかし、次第に、
「パワハラを受けた当事者が、民事などで訴えて司法が判断すること」
と見解を大きく変えていた。
3月5日に県議会が百条委員会のまとめた調査報告書を可決したあとの記者会見で、調査報告書について見解を問われた斎藤氏は、
「一定の見解が示されたということは、しっかり受け止める」
と言いながらも、報告書が斎藤氏のパワハラなどの疑惑を「一定の事実」と認めたことについては、
「パワハラかどうかというのは、司法の場が認定すること」
と認めなかった。また、報告書が、告発者である元県民局長への対応を「公益通報者保護法違反の可能性が高い」と認定したことについては、
「可能性というからには他の可能性もあるということだと思います」
と言い放った。
今回は県が委託した弁護士による第三者調査委員会の報告書だ。斎藤氏も真摯に受け止めざるを得ないのではないか。
斎藤氏はこの第三者調査委員会の調査報告書について問われ、
「分量が多く、読ませていただいている」
「県議会閉会(3月26日)以後に、県としてなんらかの見解を説明することになると思う」
という旨を話している。