
ソメイヨシノの寿命は
ソメイヨシノの寿命は「60年」と言われることが多いが、「それは『都市伝説』みたいなものです」と、美濃又さんは言う。
動物の寿命とは違い、「樹木の場合、はっきりした寿命があるわけではない」(美濃又さん、以下同)という。
ソメイヨシノは江戸時代後期に生まれたと言われている。「日本最古のソメイヨシノ」は福島県郡山市の開成山公園にあり、1878(明治11)年に植樹されたもので、「樹齢150年以上」と、科学的な調査で判明している。
「60年前後で寿命が尽きるわけではありませんが、自治体としては、危険性を放置できない。そのため、現実問題として植えてから60年前後で伐採されるソメイヨシノが少なくないのです」
昨今、道路や橋梁、下水道管など、さまざまなインフラの老朽化が課題になっている。桜並木という日本の「緑のインフラ」にも抜本的な対策が必要だ。
(AERA dot.編集部・米倉昭仁)

