怪しまれるのは得策ではなく、当初の「現場を確認する」という目的は達成したので、今回はその足で宿舎に帰り、荷物を持ってその場をすぐに去った。自分が用意していたホテルに場所を移し、帰りのチケットなどの準備をして、数日後に無事帰国した。現場にいた19歳の日本の若者が、その後無事帰国できるのか気になったが……。

 今回は台湾のケースについて聞いたことや見たことの一部を紹介したが、これらトクリュウ案件の根は深い。一般社会に溶け込み、誰もが知っている。それが抑止力となっていればいいのだが、一獲千金を狙う若者らは多くいる。

 実際に筆者のSNSには、連日海外のトクリュウ案件の誘いは絶えないのだ。

(花田庚彦)

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