
小中高と大分の公立校で学び、米・ハーバード大学、ジュリアード音楽院を卒業・修了したバイオリニストの廣津留すみれさん(31)。その活動は国内外での演奏だけにとどまらず、大学の教壇に立ったり、情報番組のコメンテーターを務めたりと、幅広い。「才女」のひと言では片付けられない廣津留さんに、人間関係から教育やキャリアのことまで、さまざまな悩みや疑問を投げかけていくAERA dot.連載。今回は、翻訳書を英語で読むときのコツについて教えてもらった。
* * *
Q. 今年は翻訳書を原語(英語)で読むことに挑戦したいと考えています。廣津留さんは英語の本を読む時にどんなことに気をつけて読んでいますか。コツなどあればぜひ教えてください。
A. 細かいことにこだわりすぎないことが大事かなと思います。読書の目的がストーリーを追いたいのか、英語を勉強するためなのかによって読み方は変わってくると思いますが、ストーリーを知ることが目的なら、わからない単語が出てきても推測で読み進めていいんじゃないでしょうか。ざっくりと大まかでも内容をつかむことを意識したほうがテンポ良く読めると思うので。勉強目的の場合、知らない単語があったら付箋をつけておいてもいいですが、とりあえず1、2文はそのまま読むほうがいいかな。細かいところにこだわりすぎて単語を調べることばかりに時間がかかってしまうと、おそらく途中で読むのが嫌になってしまうと思うんですよね。
そういう意味では、勉強目的で読むなら、すでに内容を知っている本を選ぶと効率がいいですね。対訳本もおすすめです。日本語訳がついた本のことで、意味を確認しながら読むことができます。私もスペイン語の勉強のために対訳本を読んだことがあり、本当に便利でした。あるいは、日本語に翻訳されたものを先に1章分くらい読んでおいて、物語の世界観や本で論じられているテーマの前提を理解しておくのもひとつの手です。固有名詞があらかじめわかっていれば、調べなくて済みますしね。
日本語の文章の場合は表意文字である漢字が使われているので、ある程度「かたまり」でわかるというか、パッと見ただけで何が書かれているのか情報が入ってくる部分もあります。でも、英語だとなかなかそうはいきません。文字を追っていかないとわからない。なので、特にはじめのうちは指やペンで英文を追いながら読むのがコツかなと思います。