最終回を迎えた「千鳥のクセスゴ!」を仕切っていた千鳥の大悟とノブ
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 3月2日、『千鳥のクセスゴ! 3時間SP』(フジテレビ系)が放送された。約4年半続いたレギュラー番組の『千鳥のクセスゴ!』は、この回で最終回を迎えることになった。

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 この日の放送で特に話題になっていたのは、番組の名物キャラクターである「EIKO(狩野英孝)」が2年ぶりに新曲を披露したことだ。MONGOL800の「小さな恋のうた」を独特のアレンジ満載で歌い上げたところ、スタジオにいる千鳥ら出演者は大爆笑。視聴者にもすさまじい衝撃をもたらし、SNSでは「狩野英孝」がトレンドワードに入る事態となった。「クセがスゴい」というコンセプトの異色のネタ番組として始まったこの番組の熱量は、最後まで落ちることはなかった。

 ネタ番組としての『千鳥のクセスゴ!』の最大の特徴は「ネタの自由度の高さ」である。一般的なネタ番組では、芸人が普段から舞台でやっているような持ちネタの漫才やコントをそのまま披露することが求められることが多い。しかし、この番組では「クセがスゴい」というコンセプトがあるため、さまざまな形のネタを演じることができる。

 いわゆる「ネタ」の枠には収まらないような一発芸的なもの、アドリブ要素の強いもの、芝居仕立てのもの、芸人同士のコラボ企画など、幅広い形のパフォーマンスをすべて受け入れてくれるような土壌がある。

荒削りなネタも披露できる

 その環境が整っているからこそ、芸人たちもほかのネタ番組では見せられないような荒削りなネタや実験的なネタを披露することができる。この自由度の高さが芸人たちの創造性を刺激し、バラエティに富んだネタが生まれる要因となっていた。それは視聴者にとっても新鮮で面白いものだった。

 前述の「EIKO」だけではなく、佐久間一行が演じる「日谷ヒロノリ」など、この番組では多くの名物キャラクターが生まれていた。

 そんな番組のコンセプトを支えているのが、MCの千鳥の2人である。そもそも「クセがスゴい」というフレーズ自体が、千鳥のノブに由来するものだ。彼らのすごいところは、どんなネタを見てもそれを面白く処理してしまうことだ。具体的に言うと、面白いものでも面白くないものでも、同じぐらいの興味を持って面白がることで、最終的にそれを面白いものに仕立ててしまうことができる。

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