
1989年の東西ドイツ統一を背景に、時代に翻弄される家族を描いた舞台「グッバイ、レーニン!」が9日に始まる。出演する相葉雅紀さんと浅利陽介さんの二人が、舞台に立つ思いを語った。AERA 2025年3月10日号より。



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浅利:俺ね、相葉くん、舞台、いま立つんだ?って思ったの。
相葉:えええええ?(笑)
浅利:なんでなのかな?って。自分がもう一歩前進するためなのか、やりたいからなのか。
相葉:舞台に立つ理由? いちばんハードな場所だと思ってるから、かな。公演をやりきると、自分のなかで何か殻が破れたり、表現の幅が広がる気がする。舞台の特別な緊張感と、独特な、贅沢な時間の使い方っていうか。稽古に1カ月かけるとかね。
浅利:そうだね。時間の過ごし方が違うよね。
相葉:うん、そういう過ごし方を身につけたいんです。もちろん作品のためでもあるけど、プロの役者さんたちに囲まれているこの時間で、何か掴めること、自分のなかで発見できることって、たぶんたくさんあると思うので。アレックスを生きるのと同時に、いろんな経験を積めるっていうのかな。厳しい場所ではあるけど、自分の糧になる場所だ、って思ってるから。でも、これが日常になると、耐えられる自信はないんだけど(笑)。日々の時間が舞台のことを考え続けることにいっぱいになって、バラエティで全然しゃべらなくなる、みたいな(笑)。
浅利:ね。振られてもずっと上の空で(笑)。
相葉:舞台に集中しちゃうんですよ。しちゃうというか、しなきゃ成立しない。みんなそれぐらいの熱量で来るから。
浅利:熱量ね。アウェーだなって感じたりしてないかな?
相葉:それは全然ない。むしろ、どう身につけるかって考えてるから。だって浅利くんをはじめ共演者の皆さんとご一緒していると、すごく勉強になることがたくさんあるから。楽しいよね。


相葉さんと浅利さんが役柄にまつわる思いを明かしたインタビュー後編はこちら
(構成/編集部・伏見美雪)
※AERA 2025年3月10日号より抜粋

