その他、浦和レッズに加わったDFダニーロ・ボザもリーグ戦4試合にフル出場しており、チームの成績(2分け2敗)は芳しくないが、個能力の高さは垣間見せている。優れたスピードと空中戦の強さを持ち、今後チーム全体の戦術、連携面が深まればさらに能力を発揮できるはずだ。同じく京都サンガのブラジル人DFパトリック・ウィリアムも空中戦の強さが光り、相手の攻撃を跳ね返し続けており、今季初来日の新外国人勢には優秀なセンターバックが揃っている印象だ。

 一方、期待されながらも順応に時間がかかり、今後が心配な選手もいる。その一人が、アルビレックス新潟のMFミゲル・シルヴェイラだ。母国ブラジルで神童と騒がれ、U-15、U-17のブラジル代表歴も持つが、ここまでリーグ戦2試合に途中出場(プレー時間は計53分)したのみ。ボールを持った際の雰囲気、タッチの非凡さは感じさせたが、試合展開もあってシュート1本のみでノーインパクトに終わっている。今後、自身のコンディションと周囲とのコミュニケーションをどこまで上げられるか。明らかに守備で貢献するタイプではないだけに、チームとして昨季リーグ2位だったボール支配率(56.6%、今季は現時点で49.9%)を取り戻すことも必要になる。チームとして守備を優先するならば、ミゲルの使いどころは今後も限られることになりそうだ。

 爆速アタッカーとしてセレッソ大阪に加わったブラジル人FWチアゴ・アンドラーデも評価は微妙だ。開幕から3試合は後半途中出場で、第4節の新潟戦では左ウイングで初スタメンするも効果的な仕事をすることなく後半9分にベンチに下がった。確かにトップスピードは目を見張るものがあり、想像以上にパワフルでテクニックもあるが、瞬間的な素早さは欠けており、オフ・サ・ボールの動きに乏しく、守備も緩慢で全体的な貢献度は今のところ低い。同じくチームに加わったブラジル人FWラファエル・ハットンも背番号9の役割を果たし切れているとは言えず。今後の連携アップからの本領発揮に期待したいところではあるが、チームとしては他の優秀な若手日本人選手たちを使った方がいいような気もする。

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