メーガンさん(43)は先日、突然、自身のブランド名の変更を発表した。「ARO(アメリカン・リビエラ・オーチャード)」から、「As Ever(アズ・エバー いつものように)」にするという。改名についてメーガンさんは「前からひそかに決めていた」と説明するが、AROが登録商標などで問題視され改名を迫られたのが主な理由と考えられている。

【写真】ヘンリー王子とメーガンさんの長男。新ブランドのロゴは子どもたちをイメージしたものだという

スペイン・マヨルカの村の紋章に酷似

 新名称「アズ・エバー」の新しいロゴも発表したが、またもや批判の声が寄せられている。その理由を説明するには、まず、スペインのマヨルカ(マジョルカ)島の話をしなければならない。

2025年2月10日、カナダのブリティッシュコロンビア州で開催されたインビクタス・ゲームズに姿を見せたヘンリー王子とメーガンさん(photo ロイター/アフロ)
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 マヨルカ島は地中海に浮かぶバレアス諸島最大の島で、スペイン国王夫妻が2人の王女と共に毎年バカンスに訪れる人気リゾートだ。その美しさから「地中海の宝石」とたたえられていることで、世界的によく知られている場所でもある。

 そのマヨルカ島のほぼ中央部に、人口約5300人(2018年)のポレレス村がある。小さな村だが、1370年にまでさかのぼる長い歴史と文化を持つ。村の紋章は、豊かな文化遺産を象徴するように、ヤシの木の左右に二羽のツバメがあしらわれていて、村旗にも同じ紋章が誇らしく描かれている。島内の町や村がそれぞれ定める独自の紋章は、人々のアイデンティティーと深く関わりがあるとされるのもうなずける。

 メーガンさんが「アズ・エバー」に使用したロゴは、ポレレスの紋章と構図などが極めて似ている。やはり真ん中にヤシの木が立ち、左右に配置された二羽の鳥はハチドリという。メーガンさんによると、これはアーチー王子(5)とリリベット王女(3)を表しているそうだが、ポレレス村長のフランシスカ・モラ氏は「盗作と思われます。この紋章はポレレスだけのもので、ジャムなどの物品販売に使用されるのは到底承服できない。法的措置も検討したい」と話す。

新ブランド名称にも批判殺到

 次は、2017年に設立されたニューヨークを拠点とする家族経営の衣料品ブランド「アズ・エバー」だ。店長のマーク・コルスキー氏は、メーガンさんによる注目度の高いベンチャーによって自分のビジネスが影に隠れてしまうと懸念する。「友人から知らされて驚きました。前もって連絡などは一切ありませんでした」。

2019年5月8日、ウィンザー城で長男・アーチ―王子をお披露目したヘンリー王子とメーガンさん。新ブランドのロゴは子どもたちをイメージしたものだとしているが……(photo ロイター/アフロ)

 このコメントが報じられると、メーガンさんを批判する声が集まった。「このような規模の小さな企業をいじめるのは、あってはならないことだ」「なぜ名前を決定する前に十分に調査しなかったのか」などが沸き起こっている。

 さらにアメリカ・アリゾナ州に住む写真家ジェンさんは、自分が12年以上仕事で使っている「アズ・エバー・フォトグラフィー」を突然有名人が名乗り始めたショックを訴える。「大好きだった祖母がいつも手紙の最後に添えた“アズ・エバー”を仕事の名前に付けたのに」と憤慨する。「ARO」の次は「アズ・エバー」だが、3度目の改名やロゴの変更もあるのだろうか。

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メーガンさんに味方はいるものの……