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 自分の好きなアイドルや俳優、キャラクターなどを「推し」と呼び、推しを応援する活動のことを「推し活」と呼ぶことは、ここ数年ですっかり定着した。では、推し活をする人たちが使う、「推し活用語」についてはどうだろう。

 見出しに挙げた「チェエ」や「ペン」、「センイル」は、いずれも韓国語がそのままカタカナで日本に入ってきたもの。発売されたばかりの『今さら聞けない 現代韓国の超基本――ドラマ・文学・K-POPがもっとわかる』から、知っているとツウっぽい「推し活用語」を紹介したい。K-POP好きな子どもや同僚との会話で使えば、ちょっと距離が縮まるかも――。

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チェエ」は、韓国語で「推し」のこと。漢字で書くと「最愛」となる。文字通り、最愛の人のことだ。そして、ファンのことは「ペン」という。ファンミーティングは「ペンミ」、ファンサイン会は「ペンサ」。例えば、BTSのJIMINのファンなら、自らを「JIMINペン」と名乗ったりする。

 熱心なファンがコミュニティーになると「ファンダム」と呼ばれ、BTSファンの「ARMY(アーミー)」やSEVENTEENファンの「CARAT(カラット)」のように、ファンダム名がつくことも多い。

センイル」は韓国語で誕生日のことで、「センイル広告」はファンが推しの誕生日を祝って地下鉄の駅の構内などに出す広告のこと。東京でも、六本木の駅などでよく見かけるようになった。アメリカでは、ニューヨークのタイムズスクエアにK-POPアイドルのセンイル広告が出たこともある。

 誕生日にファンが広告!と驚いていてはいけない。韓国では、推しや推しの共演者、スタッフへの差し入れとして、ファンが撮影現場に「コーヒーカー」を贈る、なんてことも行われている。いわゆるケータリングカーで、コーヒーはもちろん、サンドイッチやクッキーなどのメニューが提供されることもある。

 反対に、不満があるときは、推しの所属事務所前にトラックを止め、荷台に設置した電光掲示板に抗議のメッセージを表示する「トラックデモ」が行われることもあるという。

 推しが新曲やアルバムを出した際は、ファンは「総攻撃」で応援する。アルバムを共同購入したり、チャートに反映される時間を狙って一斉に「スミン(ストリーミング)」再生したり、音楽番組に投票したりして、推しの成績を押し上げるのだ。

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血みどろのチケット争奪戦⁉