内階段でつなげるのは「必須」だった
オフィスをデザインする上でもう一つこだわったのが、全フロアを内階段でつなぐことだった。同社の嵯峨勇さん(はたらく環境推進本部せいかつ環境室マネージャー)はこう話す。
「以前、拠点から信号一つ渡れば行けるような近い場所にサテライトオフィスを構えたのですが、1年も経つと、いろいろな声が上がってきたんです。信号一つ渡るのも手間だとか、雨の日には移動したくないとか。オフィスが少し離れているだけで、コミュニケーションがかなり取りづらくなってしまったのです。こういった経験もあり、フロアの距離を最大限縮めるためにも、内階段を繋げるのは必須でした」
高級家具のアーロンチェアを席に採用
そんなオフィスの一番の強みは、「グレードの高い環境で働ける執務エリアです」という嵯峨さん。
執務エリアは、28階から34階の7フロアにわたる。従業員が仕事をする環境は、幅が1400mmの昇降デスクとアーロンチェアが基本セット。どのフロアもほぼ同じ環境だという。
アーロンチェアといえば、アメリカの家具メーカー、ハーマンミラー社がデザインした、デスクワーカーから注目されている椅子。腰の負担が軽減されるデザインが評価されているが、「高級家具」の部類だ。

「コストはかかっていますが、特定の部署だけいい環境にしてしまうと、組織変更などがあったときに、その部署だけその場所から離れられなくなってしまうというリスクがあります。なので、基本的にどこに行っても今までと同じ環境で執務できるように、スペックは極力均一化しています」(嵯峨さん)
さらに2024年3月には、執務フロアの一部に、集中エリア「DEEP ZONE」と休憩エリア「REST ZONE」を新設した。「DEEP ZONE」は、窓を遮光カーテンで覆い、天井の照明を落とした薄暗い空間。会話や飲食はNGの運用で、座席は周囲の視線が気にならないようパーテーションで囲い、集中して執務できる環境が整えられている。

「REST ZONE」では、リクライニングチェアなど複数種類のソファを用意し、半個室型のパーテーション内に設置。ここでは飲食することも可能だ。こちらも照明は薄暗くしており、リラックスできる環境に仕立てている。
