2月22日は猫の日。猫の写真や動画を見るとポジティブな効果があるという(写真はイメージ/gettyimages)
この記事の写真をすべて見る

 昼休みに、眠る前に、画像や猫動画でホッとひと息つこうと思った人へ、それは大正解だ。猫の写真や動画やそして実物には、我々の自律神経に驚くべきポジティブな効果があるという。

【写真】シンクロ猫ダンスに劇画調まで 美しすぎる猫の乱舞

*   *  *

猫が人の自律神経にもたらすモノ

 ――かわいい。たまらん。なでまわしたい。

 猫を見て、もしあなたがそう思ったなら、その瞬間にあなたの自律神経は整っている。

 医学博士の小林弘幸教授(順天堂大学医学部)は、猫が人の自律神経にもたらすおそるべきポジティブな影響を、こう解説する。

「通常、人間の自律神経は睡眠や食事など生活習慣を整えることで改善しますが、乱れを改善するには手間がかかります。猫がすごいのは、たった1ステップで自律神経を整えてくれるところ。猫の写真を見て、深く呼吸するだけでもいいのです」

 自律神経とは、呼吸や血液循環などの機能をコントロールする神経のこと。活動しているときに優位になる「交感神経」と、リラックスしているときに優位になる「副交感神経」の2種類がある。2つの神経がどう作用するかによって、心身のコンディションが変わる。

オキシトシンで深い呼吸に

 忙しい現代人は、ともするとエンドレスで交感神経が優位になりがちだ。

 たとえば、ストレスがかかると、人の呼吸は乱れ、ともすれば止まりがちになる。そんなときこそ、「猫の写真を見るべき」と小林さんは言う。

「かわいいですよね。かわいいと思えば、幸福ホルモン『オキシトシン』が分泌されます。すると無意識のうちにゆっくりとした、深い呼吸になる。すると、ホッとすると思います。その瞬間に、呼吸できている自分に気づくはずです」

 深い呼吸は副交感神経を刺激して、全身に血液をめぐらせてくれる。血流が安定すれば、体調もよくなっていくという。

 猫動画を見るのも効果的だ。たとえば、猫が活発に遊んでいるところを見ると、前頭前野が活性化して末梢の交感神経も高まる。つまり、猫は交感神経も副交感神経も整えてくれる。

安眠効果抜群?(gettyimages)

触るのならば、もっといい

 見るだけでなく、猫に触るならば、もっといい。

 猫の被毛は柔らかく、体は温かい。自分の手のひらと猫の体が触れ合うことで、オキシトシンの分泌は「さらに増える」という。

 なるほど、納得である。より幸福感を高める猫との触れ合い方はあるのだろうか。

「猫はご存じのとおり、自由気ままなところがあります。無理強いはせず、猫に任せつつ、こちらも自然体で触れ合うのが一番いいと思います。人が構えると、猫も構えてしまいますから」

次のページ
医師が高校時代に受けた「子猫の衝撃」