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まだ余力はあったんだろうけど、インディーズで活動していたし。後にインディーのバンドのアルバムが100万、200万枚売れるとかいう時期もあったけど、そのときも気にしてなかった。もし数字(売上)にこだわったり、その収入をあてにしたりしてたら、ここまでやれてなかったと思う。結局、バンドをやってる最大の理由はライブをやることだから。ライブハウスで存在感を示すことがすべてのスタートだったし、ライブのために曲を作って、それがたまったらアルバムになるという考えだし。
――昨年11月には、それまで発表してきた6枚のアルバムに収録された72曲、すべてを演奏するライブを開催。ノンストップで4時間演奏し続けたそうですが、このライブもとんでもないですね。
いろんな人に「イカれてる」と言われたね(笑)。30年やって6枚しかアルバムがなかったから、全部やっても4時間だったんだけどね。多作のバンドだったらやらないでしょ(笑)。
最後に行き着いた言葉が、「viraha」だった
――そして今年2月には、7年ぶりの アルバム『viraha」を発表。BRAHMANのルーツであるパンクロック、ハードコアパンクに回帰した作品だなと感じました。
40歳前の頃から、いろんな音楽を聴くようになって。震災(2011年の東日本大震災)の後、自分の心境が変わって、いろんな人と喋るようになって。セッションに呼ばれることも増えて、それまで接してこなかったジャンルの人たちも交わるようになった。そのなかでいろんな音楽を知ったし、「これは万人受けするだろうな。すごい技術だ」みたいに感心することも多かった。ただ、BRAHMANというバンドで何をやりたいんだろう?と改めて考えたときに、「パンクだな」と思っちゃって。パンクから派生したものがやっぱり好きだし、今回のアルバムでもそれを純粋にやりたいなと。30年かけて大きく1周したんだろうね。
――いろいろなミュージシャンと交流し、音楽の旅を続けるなかで、自分たちがやるべきことが明確になった。
でも結果的にはパンクだけをやってるわけでもないんだよ。俺らはミクスチャーと呼ばれるいろんなものが混ざったシーンから出てきたし、右往左往しつつ、これまで経験したことがすべて血となり肉となっていて。付け焼刃でやっても通用しないし、自分たちの核にあるもの、体幹にあるものを出していくしかないんだよね。