■ファジアーノ岡山「B」

 J1昇格プレーオフを勝ち抜き、就任4年目となる木山隆之監督とともにクラブ史上初のJ1舞台に挑む。その大義もあり、レギュラー陣はほぼ残留。その上で、GK佐々木雅士(←柏)、DF立田悠悟(←柏)、DF加藤聖(←横浜FM)とJ1経験のある面々に、J3、J2と結果を残してきたスピード豊かなアタッカーのFWブラウンノア賢信(←徳島)を獲得。さらに昨年はJ3北九州で出色の働きを見せたDF工藤孝太(←浦和)と将来の日本を担う才能を持つ18歳MF佐藤龍之介(←FC東京)をレンタルで確保した。

 そして新エース候補として元日本代表の万能アタッカーの江坂任(←蔚山)を迎え入れることに成功。新戦力の数が決して多すぎる訳でもなく、チームの団結力を維持しながら適材適所の補強で新たなエッセンスを加え、なかなか楽しみなチームになっている。もちろんJ1上位陣と比べると見劣りするが、クラブ予算を考えると補強は満足。J1残留が十分可能な陣容となったはずだ。

■広島「A」

 あと一歩届かなかったリーグ優勝、その悔しさをオフの補強にぶつけ、ミヒャエル・スキッべ4年目のシーズンを迎える。青山敏弘が引退し、主力に成長した松本泰志が移籍、ゴンサロ・パシエンシア、ピエロス・ソティリウ、ドウグラス・ヴィエイラの外国人勢などもチームを去った。だが、代わりに優れたボール奪取能力を持つ国内屈指のボランチであるMF田中聡(←湘南)、前線で多彩なプレーを披露しながら昨季19ゴールを挙げたFWジャーメイン良(←磐田)の2人の大物日本人選手を争奪戦の末に手に入れた。

 さらに、優れた技術を持つMF井上潮音(←横浜FC)、強烈な左足が魅力のMF菅大輝(←札幌)を獲得して選手層を分厚くし、関東大学リーグで2年連続得点王&アシスト王のFW中村草太(←明治大)も圧巻のスピードとパンチ力で即戦力として期待できる。トルコで行ったトレーニングキャンプでも現地クラブと強度の高い試合を続け、新戦力が早くもチームにフィットしていることをスーパー杯、ACLで披露した。文句なしで「A」評価だ。

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福岡の評価は…