■セレッソ大阪「D」

 3年半続いた小菊昭雄体制に別れを告げ、かつて横浜FMでコーチを務めたアーサー・パパス新監督を招聘した。期待と不安が入り混じる中、昨季21得点を挙げたエースFWレオ・セアラを鹿島に奪われ、左WGで存在感を見せていたカピシャーバも退団。日本人ではDF鳥海晃司、MF為田大貴、FW山崎凌吾、FW山田寛人らがチームを離れた。代わりに、快速ウインガーのFWチアゴ・アンドラーデ(←トロントFC)、新エース候補としてFWラファエル・ハットン(←ECバイーア)の2人のブラジル人と、DF畠中槙之輔(←横浜FM)、DF中村拓海(←横浜FC)を獲得。そしてレンタル先で大きく成長した感のあるFW中島元彦(←仙台)らをチームに迎え入れた。

 この戦力収支をどう見るか。新外国人がフィットするか否かで大きく評価が変わることになるが、現時点での未知数な状況では、やはりレオ・セアラの存在が大きく目立ってしまう。それ以外の補強も物足りない。
    
■ヴィッセル神戸「E」

 大型補強を繰り返しながらチームを作り上げた結果、リーグ連覇を果たして天皇杯も優勝したが、今オフの補強は随分と控え目だ。獲得したのは25歳のブラジル人CBカエターノ(←コリンチャンス)に中盤とSBでプレー可能な万能DF本山遥(←岡山)、左SBのDF小池裕太(←横浜FM)、右サイドを主戦場とするDF松田陸(←G大阪)、19歳MF橋本陸斗(←東京V)、高卒GKウボング・リチャード・マンデー(←福知山成美高)という面々でビッグネームの獲得はなかった。

 その一方でMF山口蛍、初瀬亮、菊池流帆とレギュラークラスの3人が退団。一時は移籍濃厚とされたMVP男の武藤嘉紀の残留はフロントの大きな努力と成果と言えるが、戦力的には昨季よりもマイナス、良くてプラマイゼロの印象だ。もちろん、選手層は依然として厚く、齊藤未月が長期離脱から復帰したことを考えれば戦力は維持されているとも言える。さらに夏の外国人補強の期待もあるが、今冬の補強という意味では大いに不満が残る。「勝った時こそ補強は大事」「現状維持は衰退」といった言葉を痛感するシーズンになるかも知れない。

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岡山、広島の評価は…