大谷翔平選手と妻の真美子さん(写真:AP/アフロ)
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 最近、幸せを感じたのはいつですか? 仕事においても、幸せを感じていますか? お金や地位だけでもなくやりがいだけでもない、「客観的Well-being」と「主観的Well-being」のバランスの最適解を探り、自分なりの「幸せの法則」を見つけよう。AERA 2025年2月17日号より。

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「終わった!と仕事の達成感に浸っているのに、上司から無情なやりなおしを命じられたりしたときですよね。そんな緊張感から解かれて、ケーキやプリン、アイスなどを自分の部屋でじっくり味わう。この至福のときが、私のパワーの源です」

 そう話すのは、28歳の女性会社員だ。聞けば仕事について、幸せと不幸せの割合は「4対6」くらい。

「でも、もし仕事をしてなければ、スイーツのご褒美もないところがやっかいですよね」

「パーソル」がおこなった「『はたらいて、笑おう。』グローバル調査」によると、「日々の仕事に喜びや楽しみを感じているか」を尋ねた設問で「はい」と答えた割合は、日本が138カ国中104位という低レベルに。1位のエルサルバドルの97.3%と比べて25ポイント近くも低い、73.9%だった。

 パーソル総合研究所でWell-beingの調査などを担当している上席主任研究員の井上亮太郎さんはこう分析する。

「仕事に喜びや楽しみを感じるかどうかを左右するとされる要素は多様ではありますが、大きく二つ。その国の経済成長率と国民性です。まず日本の経済成長率はアジアの他の国と比べると低いので、将来の見通しがつけにくく、安定した仕事を得たり、仕事を通じた成長や達成感などを得る機会が乏しい。結果、喜びや楽しみを感じる人も少なくなってしまう」

 さらに日本の国民性も、この結果に影響しているようだ。

「日本の職場では、『ヘラヘラしてるんじゃない』とか、『仕事なんだからまじめにやれ』という言葉を聞くことも多いですよね。これは裏返せば、仕事を楽しんではいけないというメッセージにも聞こえます。真面目で勤勉な人こそ優秀な人という考え方が、日本では今も根強いのです」

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