取り出しにくく戻しにくい状態で積み重なったお皿/ビフォー

 これまで独断でやっていた片づけ方も変わりました。家族と一緒に使う場所は、みんなの意見を聞きながら片づけるようになりました。

「モノの配置などを急にガラリと変更するのではなくて、例えばキッチンは母親と相談して、少しずつ確認しながら片づけました。お互いに譲れないところは、“白か黒か”という決断ではなく、コミュニケーションを取りながら“グレー”という選択肢も取れるようになりましたね」

 近くに住む甥っ子が遊ぶおもちゃも、子どもの目線や手の届く範囲を考慮して置き場所を決定。他の人の使いやすさを考えられるようになりました。

 今までネガティブな感情で学んでいたり、他責思考だったりしたことに気づき、今後は気持ちも新たに次のライフステージに進むことにしました。

「いろいろと悩みながら無理して頑張らなくていいんだな、と思えるようになりました。片づけを通して、心地よい時間は自分で作るということを実感できたんです」

母と相談しながらよく使うモノを厳選して見やすく収納/アフター

 今でも家の片づけは続けていて、家をパワースポットのように居心地のよい場所にしようと頑張っています。

「片づけは自分の頭の整理もできるし、自分そのものを反映していると思います。いろいろ書き出していたノートを読み返すと、自分と向き合った結果だったな、と。課題も残っていますが、“ここまでできた!”という自信にもつながっているような気がします」

 ゴチャゴチャしていた彼女の心は、今の家と同じように片づいたようです。自分のやりたいことがクリアになった彼女は、もう次のゴールに向かって一歩を踏み出していることでしょう。今回の片づけと同じく、計画的に、少しずつでも確実に進む姿を見守っていきたいと思います。

人生が変わる片づけの習慣 片づけられなかった36人のビフォーアフター
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