机の上や窓辺など置きやすい場所に論文や資料が積み上がっている自分の部屋/ビフォー
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 5000件に及ぶ片づけ相談の経験と心理学をもとに作り上げたオリジナルメソッドで、汚部屋に悩む女性たちの「片づけの習慣化」をサポートする西崎彩智(にしざき・さち)さん。募集のたびに満員御礼の講座「家庭力アッププロジェクト®」を主宰する彼女が、片づけられない女性たちのヨモヤマ話や奮闘記を交えながら、リバウンドしない片づけの考え方をお伝えします。

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case.89 成功のカギはゴールから逆算したスケジュール 父親・母親/看護師

 私はいつも「部屋は心の鏡」とお伝えしています。部屋はそのときの心の状態を表すので、部屋がゴチャゴチャしているときは、その人の内面もゴチャゴチャしています。

 さらに、よく探し物をする人は、頭の中でも探し物をしています。たくさんある情報の中から、何を優先すればいいのか、自分にとって何が大切なのか、見つけられないのです。

 今回ご紹介する女性も、仕事に学業に忙しい毎日を送りながら、自分はどうすればいいのかわからない状態でした。

「看護師として働きながら、大学院で研究もしていました。毎日やるべきことが多すぎて、目の前にあるタスクにあせって取り組むばかり。進路についてもずっと悩んでいましたね」

 家は、両親と3人暮らしですが、仕事や研究でほぼ家にはいない状態。両親とも話はできない状況でした。にもかかわらず、家の中がいつも散らかっていることを、彼女は気にしていました。これまでは、ふと思い立ったときに夜中でも片づけ始め、最後までやりきる前に疲れて、ゴチャゴチャした状態に元通り。テスト前に部屋を片づけたくなる心理と同じく、現実逃避のような衝動的な片づけをくり返していました。

「自分の部屋だけでなく、家族で使うリビングやキッチンもそうやって片づけるので、必要だったモノがなくなったと親とちょっともめたこともあります」

 大人になるにつれて親とのコミュニケーションが少なくなり、家の片づけに関してもあまり話したことはありません。それぞれが「片づけなきゃ」と思いつつ、実際には行動に移していませんでした。

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