ミカンはもはや庶民の食べ物ではない!? (撮影・大崎百紀)
この記事の写真をすべて見る

 高い、高すぎる……。

一生お宝になるかも!?【大型の高配当株30銘柄】はこちら!

 都内のスーパーマーケットで見つけたミカン(大玉)の価格は1袋861円(税込み)。えー、ミカンって高級フルーツだったっけ?

 仕方なくほかのフルーツにしようと、イチゴを見る。しかし、そちらも1パック637円(税込み)。それでもまだミカンより安いので1パック買って帰る。ホントはこたつでみずみずしいミカンを食べたかったんだけどな……。

 今年になって、ミカンの価格がさらに高騰していると感じるのは、記者だけだろうか。農林水産省の1月の食品価格動向調査によれば、ミカンの小売価格は前月比126%となり、前年比では135%。昨年より3割以上高い。猛暑の影響や大量に発生したカメムシの被害などで生産量が減ったことから、価格は過去最高レベルになった。

出荷単価自体は例年の1.5倍くらい

「みかんの島」とも呼ばれる山口県の周防大島でミカンを中心にジャムやマーマレードを製造販売している「瀬戸内ジャムズガーデン」店主の松嶋匡史さんは、価格高騰をこう嘆く。

「海外産の柑橘類も生産量が減っているうえに、農業者の高齢化や気候の温暖化などで国産も減少傾向が続いていくことを考えると、ミカンがこれまでのようなリーズナブルなフルーツではなくなってしまうかもしれません。農家さんからの情報では、今年の出荷単価自体は例年の1.5倍くらい高くなっているけれど、収穫量が約4割減なので、肥料代の高騰などを考えると、トータルではマイナスのようです」

次のページ
庶民的な果物だったはずなのに…