九九を効率よく覚えるには
【西成先生】九九を覚える基本はやっぱり歌ですね。YouTubeで「九九」を検索して、気に入った曲をくり返し視聴することをおすすめします。あとはお風呂に九九の一覧を貼って親子でその歌を一緒に歌うとかね。とにかく反復していれば未就学児でも覚えられます。
私が小さいころは念仏のように唱えて自分が発した言葉が耳に入ってくることでいつの間にか覚えている、ということをやったわけですが、いまの時代、YouTubeを使わない手はないでしょう。
【郷さん】やっぱり耳ですか?
【西成先生】そもそも九九は語呂合わせなので、耳で覚える前提でつくられているんです。
【郷さん】たしかに、語呂合わせじゃなければこんな変な日本語で覚えないですよね。
【西成先生】ただ、耳ではどうしても覚えられない子どももいます。そういう子は視覚重視の九九のアプリなどを使うと、あっさり覚えてしまうこともあるみたいです。
【郷さん】そういえばアメリカだと一覧を丸暗記させるんですよ。一覧を見ながら「2 times 2 equals 4」みたいにひたすらいわせる。
【西成先生】海外は基本そうなんです。日本のように語呂合わせで覚えさせる国って実はそんなに多くなくて、そういう意味では日本人って少し有利といえるのかもしれません。いずれにせよ、九九の覚えが遅いからといって子どもを叱ったり、プレッシャーをかけたりすることだけはやめましょう。脳の特性や発達のスピードには個人差がありますし。
あと、そうだ。九九には含まれていませんけど、掛け算で0がでてきたら、積は必ず0です。「0×1」も「1×0」も0です。これは掛け算の意味を考えればわかります。「0を1回足せ」は0だし、「1を0回足せ」も何も足していないので0ですよね。