――他の先輩というと、どんな方がいますか

 たけしさんですね。やすが入院した時にお花を贈ってくださったので、関根さんが映画番組でたけしさんにインタビューする時にお礼に行ったんです。インタビューする部屋の前には映画関係者がずらーっと並んでいたのですが、エレベーターから降りてきたたけしさんは俺たちに気づいたようで、「おっ!」と言って話しかけてくれたんです。

 関係者やスタッフたちの前で「今度さ、お笑い番組をやりたいんだけど手伝ってくれないか」って言うんですよ。「やるか?」ではなく、「手伝ってくれないか?」という言い方で。その一言で、周りにいた人たちは、“たけしさんが手伝ってほしいと思っている後輩”という認識になり、見る目が変わるじゃないですか。そうやって僕たちのことを宣伝してくれたんです。かっこよくないですか?

 以前、まだ仕事が少なかった頃に、(笑福亭)鶴瓶師匠が年末の番組に呼んでくださったことがあるんです。観覧のお客さんの前で「こいつは、いいよ」って紹介してくれました。あと、さんまさんも、番組収録が終わって僕がバーッと駆け寄っていくと、スタッフら関係者がいる前で(わざと)「助かった。面白かった」と言ってくれていました。

内村(ウッチャン)さんは「滑ってから考えればいいよ」

――内村(光良)さんの番組にも、よく出られていますよね

 内村さんは、背中で教えてくれる先輩ですね。「内村プロデュース」(テレビ朝日系)の収録が終わった後に、よくみんなでご飯に行っていたんですよ。その時に、「飯尾はあそこでウケたんだから、もう1回いけばよかったんだよ」とかアドバイスしてくれたんです。「『滑るかも』って考えたら、ビビっていけなかったんです」と言うと、「それは、滑ってから考えればいいよ」って。

 確かにそうなんですよね。滑ってから考えると、「どうすればウケるのだろうか」という段階に行けるのですが、何もしないと練習にすらならない。そうなると、「なぜできなかったんだ?」「何のためにこの世界に入ったんだ?」という“精神の弱さの問題”になってしまうんです。他にも多くの先輩からいろいろなことを教わりました。

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友達の“その後の姿”に興味があった