今、悔いなくやる
応援してくれる人たちに長く楽しんでもらいたいし、僕の作るものでわくわくしてもらいたい。だからこそ、自分のパーソナルな部分ももっともっと大事にしなきゃいけないなと思います。ずっと東京で荒波にもまれてきたので、今は遠くへ旅に行きたいです(笑)。
――不惑を目前にして、少年のようなまっすぐさや愚直さにとどまらず、進化を続ける。新たな視点を持って今、穏やかで楽しげな未来を思い描く。
松下:人生プラン的なものはこれまであまり考えずに来ましたけど、たとえば音楽なら、何か新しい表現とかないかなとか、結果を出したい、あそこでライブしたいとか、結構メラメラしてるんですけど、50歳くらいになったら陽気にジャズとかを歌うおじさんになりたいですね。しがらみとか野望にとらわれずに、年に1回くらい僕が好きなジャズやソウルを小さなジャズバーで愉快に歌う、そういうおじさんになりたいです(笑)。
そうなるためには今、悔いなくやることがとても大切だと思っています。心残りがあるまま後悔しながらの人生は嫌ですから。演技も歌も、ゴールもなければ合格もないし、卒業証書があるわけでもない。自分でやりきったと思えるゴールはまだ見つかっていないし、この先もわからないかもしれない。でも、想いを持って探していきたいなと思っています。
(編集部・秦正理)
※AERA 2025年1月27日号より抜粋