「これほどの情報統制はジャニーズ事務所でもできない。でも、田邊さんはそれを易々とやってのけた。日刊は翌日も続報を掲載しましたがその他のスポーツ紙は単に、『事実無根』『事務所が否定』としか書かなかった。『目黒』の力を存分に見せつけた形ですね」
目黒には田辺エージェンシーの本社があるのだが、その田邊が目をかけたのが夏目アナだった。田邊夫人・小林麻美に夏目アナが似ているかどうかはさておき、よほどのお気に入りらしく、一度はテレビから消えかけた夏目アナを引き戻したのも田邊の尽力によるものだ。プロダクション関係者が言う。
「大社長自らテレ朝とニッポン放送に出向いて、『夏目に、もう一度チャンスをやってください!』と頭を下げていた。みんな知っていることです」
そして、夏目がフリー転身後に初めて得たレギュラー番組が有吉と共演する『怒り新党』になるのだが、田邊の辣腕ぶりをもうひとつ紹介すると――、堺雅人主演のドラマ『半沢直樹』が大爆発した際、TBSは当然、続編を希望するが、田邊は首を縦に振ろうとせずTBSを焦らし、他方では夏目アナを『あさチャン!』メインMCに据えるという離れ業をやってのけた。『怒り新党』『真相報道?バンキシャ』に続くレギュラー番組の獲得である。
「よく言われるのよ、なんで有吉は夏目にあの件を言わないんだって。おれはいじってるんだけど、テレビ的に使えないんだよ。でもさ、一度禊をしないと……、はい、われわれはもういじりません。今後、これ以上言ってくるやつはダサいって」
『怒り新党』の放映が始まって間もなく、有吉が言った台詞だ。これに対し、夏目アナも“ありがとうございます。なんかストンと落ちました”と返しているが、この“禊”以降、夏目アナが日テレを追われた理由が蒸し返されることはなかった。
夏目アナが有吉を“頼れる男”だと意識し始めたのはこのときからではないか、とテレビ関係者は言う。
〈『怒り新党』の開始当初、夏目と有吉はそれぞれ都心から離れた場所で暮らしていたが、一四年三月、有吉は夏目の自宅にほど近い家賃七〇万円の超高級マンションに引っ越している。この時点で徒歩十分の“ご近所さん”状態だったが、翌一五年、驚きの展開が待っていた。