「夏目(三久)は、日テレ時代にコンドームの箱を手にした写真を週刊誌に掲載され、どん底を見た。その苦境に手を差し伸べ、二〇一一年二月から引き取ったのが田邊さん(後略)」

 田邊さんというのは、大手芸能事務所『田辺エージェンシー』社長の田邊昭知のことだ。田邊はグループサウンズの全盛期、沢田研二がいた『ザ・タイガース』と人気を二分したグループ『ザ・スパイダース』のリーダー兼ドラマーだった。メンバーには堺正章やかまやつひろし、井上順らがいた。

 田邊は一九七〇年に芸能活動を辞め、七三年に田辺エージェンシーを設立する。当初から堺正章、研ナオコ、タモリといった個性派タレントを擁し、タモリ司会の『森田一義アワー?笑っていいとも!』の人気が長じるにあわせ事務所も勢いを増し、老舗のナベプロやホリプロと肩を並べるまでになった。現在の大河ドラマの主役・堺雅人も田辺エージェンシー所属だ。

「日本の芸能関係で何かあると、テレビ局でも芸能プロでも、全ての物事を田邊さんにお伺いを立てて決めるというくらいの実力者」(四〇年来の腹心)

 だそうだ。そういえばSMAPの独立騒動のときにも田邊の名前は散見された。

「芸能界のドンというと、バーニングの周防(郁雄)さんだと思われてますが、真のドンは田邊さんです。例えば一四年、みのもんたの復帰祝いパーティの発起人は“三人の実力者”でした。田邊さん、イザワオフィスのマネジャーだった井澤健さん、周防さんです。ただ、ドリフターズのマネジャーだった井澤さんも、北島三郎の運転手だった周防さんも裏方出身ですが、田邊さんはもともと大スター。『おい周防』って感じで二人のことも呼び捨てなんですよ。ダンディな雰囲気で温厚な人ですが、怒ると怖い」

 田邊の実力を、民放幹部はこう説明する。

「『ミヤネ屋』にニッカンスポーツのデスクを登場させている日テレのみならず、各局の担当者に対し“日刊の記事には一秒も触れるな”と厳命しました。結果、情報番組は強姦致傷の容疑で前日に逮捕された二世俳優のことばかりで、夏目と有吉の熱愛はなかったことにされたんです」

 民放幹部はさらに続ける。

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