テレビ地上波におけるスポーツ中継は“限界”を迎えているのか……。全国高校サッカー選手権決勝、PK戦にもつれ込んだ熱戦の真っ最中にテレビ中継が終了という事態が起こり、非難殺到となった。
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1月13日、国立競技場(東京)で行われた第103回全国高校サッカー選手権大会の決勝戦。流通経済大柏(千葉)と前橋育英(群馬)の名門対決には歴代最多5万8347人の観客が集まるなど、大きな注目を集めた。
「好カードだったこともあり注目度が高かった。準決勝後からチケットが飛ぶように売れて完売となったことでテレビ観戦をした人も多かったはず。頂点を決める試合のPK戦途中でテレビ中継が終わるのは考えられない。がっかりした」(神奈川県内の高校サッカー部監督)
試合は「1-1」の同点から延長戦でも決着がつかず、PK戦を「9-8」で制した前橋育英が7大会ぶり2度目の優勝を飾った。
「準決勝から中1日の日程、選手は疲労も溜まっていたはずだが必死に戦う姿が胸を打った。PK戦の勝敗は運もあるからこそ、(中継を切らずに)最後まで伝えて欲しかったですが……」(神奈川県内の高校サッカー部監督)
日本テレビの中継ではPK戦7人目後にCMが入りそのまま放送が終了。その後のニュース番組内で急遽、放送を再開して優勝が決定した場面は伝えることはできた。しかし、視聴者からは非難の声が寄せられた。
「同じ日本テレビが中継する正月の箱根駅伝で同様のことが起きたら大きな批判にさらされるだろう。巨人が日本シリーズに出場して日本一がかかった大事な場面でも、このようなことは考えられない。局内における放送の優先順位が見えた瞬間とも言える」(在京テレビ局スポーツ担当者)
ファンや視聴者からすると納得できないが、関係者からはやむなしの声も聞こえる。元日本代表FWの武田修宏氏は、「番組のスポンサーがいて枠が決まっているので、仕方ないとも思う」(1月14日付・東スポWEB)と理解をみせた。