AERAの連載「午後3時のしいたけ.相談室」では、話題の占い師であり作家のしいたけ.さんが読者からの相談に回答。しいたけ.さんの独特な語り口でアドバイスをお届けします。
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Q:私は見た目がおとなしそうに見えるのか、マウントを取られることが多いと感じます。人と接することが多い仕事なので、かなり気をつけていますが、会話を最小限にしても変わりません。普通に会話をしていても会話泥棒(=相手が話しているのを遮って自分の話に変えること)されたりするので、家族以外と話すのが億劫になります。アドバイスをお願いします。(女性/自営業/53歳/おうし座)
A:このお悩みは僕自身にとってもわりとホットな話題でした。どういうことかと言うと、「他人からのストレスをどうするか」は、いま僕の中でもよく考えるテーマなんです。
ご相談の文面からは、自分自身が他人からどう見られたか、どんな扱いを受けたかに対する、大きなストレスを感じました。
他人から間違った指摘をされたり、「そうじゃないのにな」と思うようなことを言われたりしたとき、どう対処するのがいいか。自分を見直す一つのきっかけにしてしまうのがいい、というのが今のところの僕の結論です。
悲しむとか絶望するとか、怒りからパワーに変えるとか、そうする人もいるだろうし、それはそれで間違いではないと思います。でも「言われたことは見当違いだけど、せっかくだから一度自分のことを見直してみるか」と考えてみると、ちょっと違った展開が起きます。
相談者さんの場合、見た目がおとなしそうに見えてマウントを取られるようなら、例えば「今度美容室行った時にちょっと相談してみようかな」みたいに、見た目を変化させるきっかけにしていくのも面白いんじゃないかなと思うんです。
敵からのプレゼントを受け取るみたいなイメージ。それを感謝する必要はないし、「相手を見返してやる」みたいに思う必要も全くありません。シンプルに「へー、そう見えているんなら、ちょっとこっちを試してみようかな」と考えてみる。相手のためにではなく、自分のために。
不当な扱いを受けて、自分が穴に沈められたような気持ちになってしまうのは、やっぱりちょっともったいないです。だからあえて相手の指摘に乗っかる、みたいな方法を、僕自身は最近意識しています。
こういう悩みを周りに相談すると、だいたい「そんな人、ほっときなよ。気にすることないよ」と言われますが、経験上、人間の悲しい性質として、言われたことを放っておくことってできません。
おうし座の人たちは特に、周りからの指摘に対して「今に見てろよ」と戦って勝とうとする性質を持っています。言われたことを忘れたり、簡単に発散できたりする人たちではない気がするんですよね。
他人が介在するストレスを、そのままにしておくのではなく、自分をランクアップさせるきっかけにしてしまいましょう。
自分を変化させてくれる人って、意外と自分と気が合わない人だったりするかもしれません。
※AERA 2025年1月20日号