雪が残るJR四ツ谷駅前の横断歩道を渡る人たち。近くの上智大ではこの日、入学試験が行われており、受験生の姿も多く見られた=2月6日午前8時30分、東京都千代田区
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 今シーズン最強寒波が日本列島に襲来し、各地で雪による被害や交通障害が発生している。その寒波の名残で11~13日の三連休、東京都内でも雪が降るおそれが出てきた。雪に備えるに越したことはないが、「大雪」予報が、“そうでもなかった”というのが東京都心に多いのはなぜ? 過去によく読まれた記事を振り返る(「AERA dot.」2024年2月7日配信の記事を再編集したものです。本文中の年齢等は配信当時のものです。)

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 本州の南岸を通過した低気圧の影響で5日、関東甲信地方を中心とした広範囲で雪が降った。鉄道の運休や遅延、高速道路の通行止めなどのほか、積もった雪で転倒して救急搬送されるケースも各地で相次ぎ、混乱は6日も続いた。雪による影響を受けやすい首都圏。しかし、首都圏でどれだけ雪が降るか予測するのは「気象予報士泣かせ」と言われるほど難しく、過去には大雪の予報が「空振り」したり、逆に予想外の降雪に見舞われたりしたことも。専門家は、スーパーコンピューターが発達した現在でも予報は非常に難しいという。

「平地でも警報級の大雪となる可能性がある」

 気象庁と国土交通省は4日、合同で記者会見を開催。東京23区では1~5センチ、関東地方南部の平野部では5~10センチの降雪があり、大雪となった場合には不要不急の外出を控えてほしいなどと警戒を呼びかけた。

 そして5日の日中から各地で雪が降り始め、気象庁は同日に東京都や神奈川県などに大雪警報を出した。6日夕までの24時間で観測された降雪量は、東京都心で9センチ、横浜市中区で4センチ、千葉市中央区で3センチ。山間部では20センチを超える積雪があり、交通などへの影響は6日も続いた。
 

 関東地方に雪を降らせる原因となるのが、太平洋岸を通過する「南岸低気圧」だ。

 雨雲の中でできた氷の粒が、解けることなく地上まで降ってくれば「雪」だ。途中で解ければ「雨」になる。雨か、雪か、そして大雪か、それは複数の気象条件がわずかに変わるだけで違ってくる。その当日の状況を、正確に予測するのは非常に難しい。

 2013年2月、気象庁は首都圏で大雪になるとの予報を発表したが、結果的に東京では雪にはならなかった。22年2月も首都圏に大雪注意報を出したものの、「空振り」に終わっている。
 

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ポイントの一つが「八丈島」