熊谷智宏(くまがい・ともひろ) 我究館館長。横浜国立大学を卒業後、(株)リクルートに入社。2009年、(株)ジャパンビジネスラボに参画。現在までに3000人を超える大学生や社会人のキャリアデザイン、就職や転職、キャリアチェンジのサポートをしてきた。難関企業への就・転職の成功だけなく、MBA留学、医学部編入、起業、資格取得のサポートなど、幅広い領域の支援で圧倒的な実績を出している。また、国内外の大学での講演や、執筆活動も積極的に行っている。著書に「絶対内定」シリーズがある
熊谷智宏(くまがい・ともひろ) 我究館館長。横浜国立大学を卒業後、(株)リクルートに入社。2009年、(株)ジャパンビジネスラボに参画。現在までに3000人を超える大学生や社会人のキャリアデザイン、就職や転職、キャリアチェンジのサポートをしてきた。難関企業への就・転職の成功だけなく、MBA留学、医学部編入、起業、資格取得のサポートなど、幅広い領域の支援で圧倒的な実績を出している。また、国内外の大学での講演や、執筆活動も積極的に行っている。著書に「絶対内定」シリーズがある
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図1新卒採用のスケジュール(2016/9時点のモデルケース)
図1
新卒採用のスケジュール(2016/9時点のモデルケース)

 大卒求人倍率5年連続上昇の中、2017年卒の就職活動はどうだったのか。

 実は希望の内定を手にすることができず、やむなく就職留年の道を選ぶ学生も多く存在することがわかった。彼らの明暗を分けたものは何だったのだろうか?

 大学生協8年連続第1位のベストセラー『絶対内定2018』シリーズの著者である谷智宏氏が、2017年卒の就活を振り返り、これから就活をはじめる学生たちが注意するべき点についてレクチャーする。(撮影/宇佐見利明)

●大卒求人倍率5年連続上昇の超売り手市場

 ここ数年、新卒採用は就職活動をする学生が内定を得やすい「売り手市場」になっている。

 リクルートの調べによると、2017卒の大卒求人倍率は1.74倍となっており、2012年から5年連続で上昇している。就職率が調査開始以来、過去最高の97.3%だった2016年卒以上の求人倍率であることを考えると、非常に良い状況だ。
(大卒求人倍率とは、民間企業への就職を希望する学生1人に対する、企業の求人状況を算出したもの)

●売り手市場でも、内定が出ない?

 これだけ聞くと、ほとんどの学生の就職活動がうまくいっているように聞こえるが、実際はそんなことはない。

 たしかに、単純計算でいえば、1人あたり1社以上の内定が出ている。だが実際には、10社以上内定をもらう超優秀な学生も多く存在する。

 となると当然、1社も内定がもらえなかった学生もいる。この数字の裏には、結果を出せた「成功組」と「失敗組」が隠れているのだ。

 今回は、両者の差を生み出している原因について説明していきたい。

●行きたい会社から内定をもらえなければ就活「失敗」!?

 私が館長を務める、キャリア支援スクール「我究館」には、次のような相談を寄せる学生が増えている。

「納得のいく結果が出せず、就職浪人を考えています」
「準備が間に合わずに、すべての企業に落ちてしまいました…」
「インターンやOBOG訪問など、本選考以外の行動量が少なくて、気づいたら周囲との差が大きく開いていて…どうすれば、今から挽回できるのでしょうか」

 切羽詰まった相談をしてくる学生の中には、すでに内定を得ている者もいる。だが、自身の感覚としては「行きたい会社からは内定をもらっていない」ため、「失敗」だと思っているのだ。

 納得のいく結果を出せなかった彼らや彼女らは、比較的優秀な場合が多い。

 人間的にも魅力的で、学生時代も力をいれてがんばったことがある。学歴も高く、TOEICなどの基本的な能力も高い。自分にもそれなりに自信がある。それでも結果を出せなかった。なぜだろうか。

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