今年は8月の後半になって東日本から北海道にかけて台風が連続してやって来ています。すでに大きな被害も報じられていますので、これからやって来る台風にも十分に注意をしていきたいものです。また国内では熊本地震そして先週のイタリア地震と災害は常に身近にあると感じます。そんな中、もう一度ふだんからの対策、心構えを考えてみませんか?
この記事の写真をすべて見る台風は近づく前に対策を講じましょう
台風はやってくると強い風と大量の雨がおおきな被害をもたらします。
平均風速と被害の目安として次のようなことが言われています。
平均風速10メートルくらいで樹木が激しく揺れて雨傘が壊されます。
平均風速20メートルくらいは身体を傾けないと立っていられません。
平均風速25メートルくらいで屋根瓦が飛び樹木が折れます。
平均風速30メートルくらいでは電柱が倒れることがあります。
平均風速35メートルくらいは自動車や列車が倒れることがあります。
平均風速50メートルくらいになるとたいていの木造家屋が倒れ、樹木が根こそぎになります。
風の恐ろしさを具体的に感じることができると思います。
(参考:東京大学大学院情報学環・学際情報学府 廣井研究室)
台風の対策の第一はこの風対策でしょう。まず家のまわりに置いている物を取り込みましょう。
意外に忘れやすいのが物干し竿だそうです。こんなものが飛ばされるのか? と疑問に思うかも知れませんが、固定されていないものは飛んでもおかしくない物と思って取り込みましょう。
窓ガラスが割れないように対策してください。
昔の家は必ず雨戸がありましたので、台風が来ると釘で打ち付けたりと補強をしていましたが、今は強化ガラスが使われていて雨戸やシャッターのついている窓はあまり見かけないようですね。そんな時は万一に備えて、壊れても飛び散らないようにガムテープを張って補強するのが一番手っ取り早いということです。時速50キロで飛ぶとゴムのサンダルも窓ガラスを突き破る、と最近のニュースを見た方もいらっしゃるのではないでしょうか?
雨もまた大きな災害の要因となります。
最近は短い時間に大量の雨が降り、思わぬ災害が起こることがありますので、十分な注意が必要です。また台風になりますと河川の水量が増えて氾濫し、浸水被害も考えられます。警報や注意報に気をつけて避難場所や経路についても、予め確認しておくと安心ですね。
もう一つ側溝に溜まったゴミを取り除くことも忘れないで下さい。
ゴミが流れを悪くして水をあふれさせる原因となります。ふだんはそこまで見ませんが、こんな時がひとつのチャンスと思って掃除をしておくのもよいのではないでしょうか。
停電、固定電話は使えませんよ! ライフラインの対策
停電になったとき今の固定電話が使えなくなるのをみなさんはご存じですか?「エッ!」て驚く方もいらっしゃるかも知れません。今の電話には必ず電源コードがついていますね。そしてIP電話がつながる終端装置も電源を必要としているのです。ですから、携帯やスマホ、タブレット、ノートパソコンの充電をしておくというのも大切なことです。大事なのは外部との連絡ができること、そして情報を得ることができることです。パソコンの電源が急に落ちてデータがなくなってしまうのが困る方は、無停電電源装置を備えておけば、バックアップの時間を確保できるでしょう。
いつも何げなく使っている物こそ、災害時にも役に立って欲しいものです。そんな時のためにふだんから「もし今…」と考えるのも大切だと思われます。特に家族と一緒に考えて情報を共有しておけば、いざという時慌てずにお互いを信頼して行動できるのではないでしょうか。
なんといってもふだんからの備えが大切になります。
まず懐中電灯、携帯ラジオは必需品のトップになるでしょう。電池は必ず予備を買っておきましょう。いざというときにストックの電池が切れている、ということもよくあるそうですよ。ほかにも、ペットボトルの水や卓上コンロのガスボンベを用意しておきましょう。水は古くなったものでも手を洗ったりと飲料以外にも使い道はたくさんありますから、慌てて捨ててしまうのは勿体ないですよ。
やっぱり食べ物は心配ですね
非常食も十分に考えてふだんから用意しておきましょう。
災害のため、といって乾パンを思い浮かべたりしませんか? 命からがら逃げ出したときは乾パンもごちそうになる事でしょう。でも、ひとたび命の危険がなくなったときには、生活を少しでも充実させるために食べ物は大切です。ふだん食べているご飯がなんといっても一番元気が出ますよね。災害用の食品もそこを軸に考えてみてはいかがでしょうか?
例えば缶詰やレトルト商品は、家族が好きなものを災害用食品としてストックしておいて、期限が近づいたら食事に回して食べてしまいましょう。その分をまた買い足しておきます。水だけで作ることができる炊き込みご飯、発熱材料で熱く仕上がるカレーや牛丼といった便利さと美味しさを追求した商品も多く販売されるようになっています。
甘い物もやはり大切かもしれません。疲れたとき、落ち込んでいるときに甘い物を食べるとホッとして元気が湧いてくる経験を思い出しませんか? 長く保存できるお菓子ビスケットのような乾燥してものだけでなく、最近はあんころ餅のような和菓子も災害用に販売されていますので、ちょっと気をきかせておくのもいいかもしれません。飴は口にすればホッとしますし、すぐにエネルギーに変わる糖分ですから非常食としては便利です。また、糖尿病や、腎臓など持病をお持ちの方に配慮した低タンパク米や塩分制限の食品など、特に注意をして確保しておくことが大切です。ふだん美味しく食べているものをストックしながら使い回して賢く災害に備えることを考えて見ませんか?
少しでも食品が傷むのを延ばしたい! と思いますよね。冷凍庫には保冷剤など多めにいれて置くと、停電したときに食品を保つのに役に立ちます。また塩や酢を使った単純なおむすびを作って冷凍しておけば、やはり非常食になりますね。
大型スーパーなど非常用品や食品を常設コーナーにしているところもありますから、機会を見つけてじっくりと見てみるのもよいのではないでしょうか。