大河ドラマ「江~姫たちの戦国~」の主演を務めていたころの上野樹里

若いころはピリピリしていた

結婚後はマスコミ対応にも変化がありました。短期間で一気に大女優の地位を築いたことや周囲のプレッシャーもあったのか、若いころは常にピリピリしていた印象があります。ある映画のPRイベントでは、熱愛報道など関係のない質問をした記者を強い言葉で注意したこともありました。結婚後、たまたま彼女が登場するイベントに行ったのですが、その時はかなり穏やかで、マスコミに対しても真摯に対応していて、随分丸くなったなというか、ほっこりした感じになっていました」(週刊誌の芸能担当記者)

 芸能評論家の三杉武氏は上野の経歴をこう振り返る。

「上野さんはデビュー当時から演技力の高さに定評がありました。NHK朝ドラ『てるてる家族』で共演した岸谷五朗さんがその才能を見抜き、岸谷さんの所属事務所が、上野さんが当時所属していた事務所ごと吸収合併したことは有名です。そうした周囲の期待に応えるように06年放送のドラマ『のだめカンタービレ』では主人公の野田恵役を好演してヒットに導き、映画化も実現しました。また、『のだめ』と同時期に出演したドラマ『ラスト・フレンズ』でも性同一性障害の女性を熱演し、こちらも高い評価を受けています。そして2011年には、24歳にしてNHK大河ド『江〜姫たちの戦国〜』の主演に抜擢され、一気にスターダムを駆け上がりました。結婚後に出演した『テセウスの船』では、竹内涼真さん演じる主人公の最愛の妻と週刊誌記者を見事に演じ、注目を集めるなど女優として存在感を放ち続けています」

 天然、天才、憑依型……さまざまな表現をされることが多い上野。30代で家族の温かい愛情に包まれた彼女が、また違う一面を演技で見せてくれそうで楽しみだ。

(高梨歩)

▼▼▼AERA最新号はこちら▼▼▼