スマートフォンの普及とともに激変する写真環境。今日、新たに発生する肖像権・著作権の問題点を、実例とともにQ&A形式で解説した。
「アマチュア写真家がインターネット上で写真を公開すると問題があるのか?」「ママ友同士の集まりで撮った写真をSNSにアップしたい」といった素朴な疑問から「見えているものを撮る自由はどこまで許されるのか」「公人・私人の肖像権はどう異なるのか」などやや抽象度の高い問いに至るまでが、幅広く網羅される。
 写真は撮影者と被撮影者のコミュニケーションの産物であり、「撮られる側」への配慮や感謝が大切であるという視点が、繰り返し強調される。「権利侵害」を意識しすぎては何も撮れない。写真を「楽しむ」という気持ちを忘れないためにこそ、目を通したい。

週刊朝日 2016年9月2日号