
――モー娘。時代は歌でどのような部分にこだわっていましたか。
当時は主メロを歌いたかったのですが、(プロデューサーの)つんく♂さんからハモリを任されることが多くて。正直悔しかったんですけど、大人になって楽曲を聴いてくれるファンの方たちに「やぐっちゃんのハモリってすごくきれいだよね」って褒めてもらえる機会が増えたんです。つんく♂さんはその部分を見てくれているのかなと今は感謝の気持ちが大きいです。
――歌唱力で印象的だったメンバーはいらっしゃいますか。
保田圭ちゃんですね。ただうまいだけでなくて、歌にのせる抑揚のつけ方、感情表現が本当に上手なんです。オーディションの初日に一緒のグループになって安室奈美恵さんの曲を歌っているのを聴いて、「すごい」って衝撃を受けて。メンバーになって一緒に活動してもその思いは変わらなかったです。当時の圭ちゃんは髪にメッシュを入れてギャルっぽくて話しかけづらいなと思ったけど(笑)、話したらすごく優しくてすぐに仲良くなりました。
私だけピンピンしている
――ライブではパワフルな動きが矢口さんの代名詞でした。
当時はなっち、ゴマキと、センターとして認めざるを得ないぐらい輝いているメンバーがいたので、そのセンターとトライアングルになる1人になろうと。つんく♂さんからも「矢口は体が小さいから飯田の倍は動かないとダメだよ」とアドバイスをもらっていたので、他のメンバーの2倍は動いていました。全身を使って踊る楽曲が多かったので、1回のライブで体重が2キロ減っていましたね。夏場の屋外は水分を取るけど、脱水症状、熱中症、過呼吸でメンバーが倒れていました。私も2度倒れましたが、休むという概念がない時代だったので(笑)、病気のときは解熱剤をどこで飲もうかなと考えていました。そういう修羅場を乗り越えてきたのでピンチをピンチと思わなくなる(笑)。でも、今は時代が違いますし無理は禁物です。アイドルで一番大事なのは体調管理だと思います。健康でいないとステージに立てないし、ファンの方たちを笑顔にできない。今も体がキツいと感じたらあらゆるサプリを飲んで、半身浴をしています。子供や旦那がダウンしても、私だけピンピンしているときが多いですね(笑)。