クリスマスケーキの宅配は配送業者にとっても「大きな挑戦」だ。画像はイメージ(GettyImages)

「適正なコスト」は惜しまないでほしい

 来年も“崩れたクリスマスケーキ”が配送されないためには、根本的な再発防止策を講じる必要があるだろう。西田氏は荷物を依頼するクライアント企業にこう呼びかける。

「届け先のお客さんに喜んでもらいたい思いは、プロである以上、私たちも同じです。そのためには、輸送についても適正なコストは惜しまず、フェアな契約を結ぶ意識を持って頂きたい。配送業界は個人事業主が多く、中には最低賃金以下で働く人もいますが、みなさん『荷物を待っている人がいるから』と毎日必死で届けています。崩れたケーキを見て一番悲しんでいるのは、運んだドライバーかもしれません」

 クリスマスケーキを笑顔で食べられるように、消費者もまた「配送してくれるコスト」を適切に考える時期なのかもしれない。

(AERA dot.編集部・大谷百合絵)

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