いわば業界注視の中での鳴り物入りの大型契約だった。「緊張するほうを選ぶ」と自らに課してはいたが、相当難易度の高いプロジェクトだ。そうしたこともあり、2017年のリーグ戦開幕に向けて配信の準備はJリーグチーム、DAZNチーム一丸となって入念に重ねてきた。
しかし、多くの関係者が固唾をのんで見守る明治安田生命Jリーグ第1節から配信が90分、まるまる映らないという大事故がいきなり発生してしまう。2月26日の日曜日、17時03分キックオフのガンバ大阪対ヴァンフォーレ甲府の試合において、誰もが目にしたのは、画面の中央でくるくる回る渦巻だけだった。
私はJリーグのオフィスでさまざまなタブレットや端末を並べ、開幕節の配信を楽しみにしていたのだが、信じられない現実に呼吸が止まりそうになり、まさに目が回る思いだった。もう首をくくるしかないのかもしれない、そんなことも考えた。ネット上では激しいバッシングが飛び交っている。