
テレビアニメ「忍たま乱太郎」の映画の最新作で、主役級のポジションを張る土井半助先生。制作のきっかけや魅力について、同映画のプロデューサー・御手洗絵里さんらに聞いた。AERA2024年12月16日号より。
【写真】土井先生を中心に物語が進む「劇場版 忍たま乱太郎 ドクタケ忍者隊最強の軍師」の1シーン
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12月20日に公開される「劇場版 忍たま乱太郎 ドクタケ忍者隊最強の軍師」。原作は『小説落第忍者乱太郎 ドクタケ忍者隊 最強の軍師』(2013年)だ。
「小説を初めて読んだとき、忍たまにこんなストーリーや世界観があったことに本当に率直に驚きまして。この感動を多くの人に伝えたいと映画化を提案したのが始まりでした」(御手洗さん)
現在子育て中でもある御手洗さんは、子どものころからいつも忍たまが近くにあった“忍たま世代”。子どもたちのために右往左往してくれる「優しい大人」のひとりに過ぎなかった土井先生の印象は、自身が年を重ねるにつれて、こんなふうに変わっていったという。
「昔はわからなかった土井先生の温かさを感じて、つくづく素敵な方だなって」
そう思うからこそ、大人になってからSNSなどで「土井先生、素敵だったよね」「そうそう、私も好きだった!」と盛り上がれる存在なのだ。御手洗さんはこう話す。
「テレビアニメが32年続いているのも大きい。子どものころに出会った大人が、自分が大人になってからも同じ姿で自分のそばにいてくれる」
新たな魅力がふくらむ
今回の映画の原作小説を書いたのは、長年、テレビアニメ「忍たま乱太郎」の脚本を手がけている阪口和久さんだ。忍たまのミュージカルの脚本を手がけた際、原作者の尼子騒兵衛さんに直接、いつか書きたいと思っていた忍たまの小説を提案。「いいですよ〜」と言ってもらって実現したという。
阪口さんは「実は小説を書き始めたとき、乱太郎たちと6年生が活躍する小説を書きたいなと思っていたんです。でも書いていてストーリーが進むうち、土井先生ときり丸の比重がどんどん増えていった」と話す。