12月20日に封切られるアニメ映画「劇場版 忍たま乱太郎 ドクタケ忍者隊最強の軍師」の1シーン。土井先生を中心に物語が進む(c)尼子騒兵衛/劇場版忍たま乱太郎製作委員会

 今回の映画脚本は、小説の内容を再構築し、土井先生のバックグラウンドや心の内までをクローズアップした。テレビアニメとはまた違う表現で描かれる物語が展開され、大人が見ても心に響く、貴重な体験ができる映画となっている。

 ではうかがいます。そんな真の土井先生像に迫った阪口さんが考える、彼の魅力とは?

「小説を書いた時は、土井先生といえばギャグの人だと思っていた。ところが、今回の映画で改めて、ああ、この人はおもしろいだけの人ではないんだなという、新たな魅力が膨らんできたんです。やっぱり陰のある人物って、書く方にもどんどん迫ってきますよね。実はその陰の部分に書かされた、そんな小説だったのかもしれません」

 もちろんイケメンで、友だちのように接してくれるやさしいお兄さんキャラは大前提だ。

「子どもたちに翻弄されつつもそれを受け止め、大人と教師の筋を一本通した理想の先生ですね」(阪口さん)

 小学生のころの初恋の相手が、ますますカッコよくなって帰ってくる! 現実ではあまりない展開を、劇場で楽しみたい。(ライター・福光恵)

AERA 2024年12月16日号より抜粋

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