
今回の映画脚本は、小説の内容を再構築し、土井先生のバックグラウンドや心の内までをクローズアップした。テレビアニメとはまた違う表現で描かれる物語が展開され、大人が見ても心に響く、貴重な体験ができる映画となっている。
ではうかがいます。そんな真の土井先生像に迫った阪口さんが考える、彼の魅力とは?
「小説を書いた時は、土井先生といえばギャグの人だと思っていた。ところが、今回の映画で改めて、ああ、この人はおもしろいだけの人ではないんだなという、新たな魅力が膨らんできたんです。やっぱり陰のある人物って、書く方にもどんどん迫ってきますよね。実はその陰の部分に書かされた、そんな小説だったのかもしれません」
もちろんイケメンで、友だちのように接してくれるやさしいお兄さんキャラは大前提だ。
「子どもたちに翻弄されつつもそれを受け止め、大人と教師の筋を一本通した理想の先生ですね」(阪口さん)
小学生のころの初恋の相手が、ますますカッコよくなって帰ってくる! 現実ではあまりない展開を、劇場で楽しみたい。(ライター・福光恵)
※AERA 2024年12月16日号より抜粋

