来年7月22日の任期満了に伴う東京都議選は、同28日の任期満了に伴う参院選の前哨戦と位置づけられ、国民民主党は都民ファーストの会と選挙区調整を行う方針だ。都民ファーストの会の尾島紘平幹事長は今年5月、都知事選に出馬表明した石丸氏に対して「東京を舐めるな」とXで発言し、両者の関係は良くない。

 また国民民主党内も、石丸氏との連携に積極的とはいえない。なかでも衆院選で初当選した鳩山紀一郎氏は、選挙前に石丸氏に対して強烈な不信感を示したことがある。

求心力を残せるか、次の都知事選まで忘れられずにいられるか

 もっとも玉木氏が党内で強いリーダーシップを発揮すれば、こうした不満も抑えられるかもしれないが、3月3日まで代表の権限は使用できない。また代表に復帰した後も、これまでのような求心力を発揮できるかどうかは不明だ。

 玉木氏はスキャンダルで落としてしまった信用回復に努めなければならず、石丸氏は次の都知事選まで世間に忘れられないように話題作りに勤しまなくてはならない。両者の思惑がかみ合えば良いが、必ずしもうまくいかないのが世の常だ。天網恢恢(てんもうかいかい)疎にして漏らさず――。

(政治ジャーナリスト・安積明子)

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