歌手で俳優の中山美穂さんの衝撃的な訃報は、ファンにも計り知れないショックをもたらした。中山さんが亡くなった自宅近くにも別れを惜しむファンの姿があった。デビュー時からファンだという女性は、歌手としての中山さんが好きだと言い、これまでの公演の大半を見てきたという。「歌手としてこれからというときに……」。静かに悼み、中山さんにまつわる思い出を語ってくれた。
【写真】中山美穂さんが妹の忍さんと一緒に座っていた焼き肉屋の「指定席」
東京都渋谷区にある中山さんの自宅は、最寄り駅から徒歩で10分ほど。7階建てのビルの上層階で中山さんは暮らしていたという。現場に着いた筆者がそのビルを見上げていると、2人組みのファンの女性も同じように見上げていた。いずれも都内在住で、48歳のAさんと50代のBさん。
「Aさんはガチのファン。美穂さんのコンサートツアーを見に全国をまわっているんです。Aさんに影響されて、私も高知県でのコンサートにも行ってきました」(Bさん)
お客の7割くらいが女性?
Aさんは、中山さんがデビューしたときからの熱烈なファンといい、こう気持ちを吐露した。
「言葉にならないというか、寂しいです」
Aさんは、4月から始まった中山さんの全国ツアー全19公演のうち14公演に行ったという。
「昔からの熱心なファンは、同じように全国をグルグルまわっています。どこの会場もほぼ満席で、お客さんの7割くらいが女性だと思います」(Aさん)
ツアー初日の金沢市から青森、愛知、佐賀など各県での公演をまわって見ても飽きない魅力があるのだという。
「私はステージで歌っている美穂さんが好き。すごく楽しそうな顔で。曲の合間では、その土地にちなんだエピソードを話していました。たとえば、『このあたりでドラマの撮影をしたのよ』とか。今度はどんな話を披露してくれるのかなと、楽しみでした」
Aさんによると、中山さんも若いときに比べると多少、声が出にくくなっていると感じる場面もあったというが、「本人は『ヘタクソだけど歌います』と自分でそれをいじって会場を笑わせていました」と思い出を語った。