
メディアは維新代表選より兵庫県知事問題
大阪のメディアも、維新の代表選をあまり大きくとりあげなかった。代表選の投開票日に党大会に来ていた在阪の民放テレビ局の関係者に聞くと、こう話した。
「コロナが大流行した2年ほど前は吉村氏なくして大阪の番組は成立しなかった。けど、今は維新の支持があまりに低調で、テレビに出てもらっても数字があがらない。代表選をやっていること自体が知られていなくて、盛り上がりがない。どうしてもネタが満載の斎藤知事中心の報道になる」
代表選当日には、投票が終わるとさっさと会場を後にする国会議員や地方議員が目立った。吉村氏が新代表に選ばれると、国会議員らから拍手が沸き上がったが、会場には空席が目立ち、しらけた表情の地方議員の姿もあった。
前原氏の「共同代表」に批判の声
結局、吉村氏は投票者の約8割の票を集め、代表に選出されたが、維新が吉村氏のもと一致団結するかというとそうとも言えない。
前代表の馬場氏は11月29日の退任記者会見で、
「私は維新がそんなにひどい状況になっているというふうには思っていません」
と不満を漏らし、辞任に追い込まれた状況に納得できない様子を見せた。
吉村氏は新代表に就任直後の会見で、馬場氏が掲げてきた「全国政党化」について、「現在の(党の)体力から考えても違う」などと方針の修正を表明。馬場氏ら前執行部との距離を感じさせた。
また、吉村氏は国会議員ではないため、国会議員団代表に前原誠司衆院議員を「指名」し、国会議員の両院議員総会で決定した。これにも批判的な声が出ている。
馬場氏に近い維新の国会議員は、こう危惧する。
「前原氏は旧民主党に国民民主党、教育無償化を実現する会などあちこちと党を変わっている。馬場氏など前の執行部とは明らかに距離がある。国会では他党だけでなく、党内でも『是々非々だ』という声がしきりなので、前原氏は苦労するだろう。吉村氏も以前ほどは党内から支持がない。いつ党が割れてしまうのかと思う」