
党内対立が激化する可能性
維新の国会議員の秘書を務めたこともある政治評論家の藤川晋之助氏はこう話す。
「馬場代表時代は、自公政権とも組む可能性、入閣もありうるような方向性だった。これに対して吉村代表が前原氏を国会議員団のトップに据えたのは、自民党と対峙し、野党共闘に重きを置く考えだろう。もともと馬場氏を中心とする執行部グループと、それに反発する国会グループの対立が今回の代表選の背景にあった。人気抜群の吉村氏が代表になったことで、2つのグループは当面、反旗を翻すことはできない。だが、前原氏らの新執行部がしっかりしたガバナンスをできなければ党内対立が激化する可能性もあり、予断を許さない」
吉村氏はこれから、大阪府知事、国政政党のトップという「一人二役」に加え、万博の主体「博覧会協会」の副理事長と、「一人三役」ともいえる重責を担うことになる。
「全力で走れるところまで走っていく」
と記者会見で語った吉村氏。内部に火種を抱えながら、維新の党勢回復を果たすことができるだろうか。
(AERA dot.編集部・今西憲之)