翌19年も加藤匠馬の台頭で出番はさらに減り、20年はプロ入り後初の1軍出場なし。その後も1軍でほとんど出番がないまま、23年9月、「この何年か2軍で生活していた中で、若い選手と一緒にやる中で、(若手を)応援している自分がいた。(こんな気持ちでは)現役を続けるのは厳しいと思った」と引退を発表した。

 中日はこれまでFAで7人を獲得したが、大野以外にも、金村義明(前近鉄)、川崎憲次郎(前ヤクルト)が失敗組に挙げられる。

 このほか、橋本将(ロッテ→横浜)、森本稀哲(日本ハム→DeNA)、成瀬善久(ロッテ→ヤクルト)、福田秀平(ソフトバンク→ロッテ)らもFA移籍後は活躍できずじまい。故障やチームの環境になじめなかったなどの理由もあるが、改めてFA補強の難しさを痛感させられる。(文・久保田龍雄)

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