著者の最新作『社会という「戦場」では意識低い系が生き残る』

 よく言われることとして、「戦車は停止してはいけない」という教訓があります。

 道に迷ったりして「え〜と」と地図を広げて考えていると、対戦車砲などを用いられてしまい、戦車でもあっという間に撃破されてしまうのです。

 そのため、戦車を運転する際には「道に迷ったら、とりあえず右に進んで走りながら考える」という対応を取るようにするのです。また、大災害などでがれきの下に埋もれてしまった人を救出するときなども、考えている暇なんてありません。

 陸上自衛隊では「頭が真っ白になっても、指示を出せ!」と言われることがありますが、ここで言われている通り、もしも判断が間違っていたとしても、「指示を出す」というのは、何もしないよりもはるかにマシだという考え方もあるのです。
 

 ただ、世の中には「できる人間は、すぐに決断をする」「ここで契約をしないと損」などと言ったように、なるべく早く考えをまとめようとさせる風潮があります。

 そんなものに惑わされてはいけません。と言うのも、私たちの日常において「命がかかっていること」はほとんどありませんし、決断はいくらでも先伸ばしにしても問題がないからです。

「中途半端なモヤモヤな状態に耐えられる」というのは、強さでもあります。

(ぱやぱやくん)
 

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