祭壇へと向かう天皇家の内親王の愛子さま、皇嗣家の内親王の佳子さま、皇位継承順位2位の悠仁さま。「宮内庁も並び順を工夫したのでは」と京都産業大の所功・名誉教授=2024年11月26日、東京都文京区の豊島岡墓地

 皇室典範では、父方に天皇の血を引く「男系男子」のみが皇位を継承することを定めており、多くの場面では男性皇族が優先されてきた。そのため、従来の皇室の「ご身位」に倣えば、「斂葬の儀」でも秋篠宮ご夫妻に続くのは皇位継承順位2位の悠仁さま、そして天皇家の内廷皇族で内親王の愛子さま、そして皇嗣家の内親王である佳子さまという「並び順」が想定された。皇室に仕えていた前出の人物が想像していたのも、そうしたものだった。

 ところが、席と拝礼は、愛子さま、佳子さま、そして悠仁さまという順番だったのだ。
 

 皇室制度や儀式に詳しい京都産業大の所功・名誉教授は、この順序に「変化の兆候」を感じたと話す。

「宮内庁も並び順について、いろいろ工夫されたのでしょう。皇嗣と同妃の後列に、まず愛子さまが着かれたのは、内廷皇族の代表というお立場だと思われます。続いて佳子さま、そして悠仁さまと、秋篠宮家の若い世代の皇族が並ばれたのは基準を『年齢順』としたからだと考えられます」

 2013年に秋篠宮ご夫妻と佳子さま、悠仁さまが伊勢神宮に参拝されたときも、佳子さまの後に悠仁さまが続いた。このときは佳子さまも悠仁さまも未成年だったため、姉弟の順序はごく自然に映った。

 しかし、皇位継承順位2位の悠仁さまが成年皇族となった現在では、天皇陛下や皇族方がそろう宮殿や公の場面での順序は、大きな「意味」をもって世間に受け止められる。
 

三笠宮妃百合子さまの斂葬の儀に出席し、祭壇に拝礼する秋篠宮家の長男の悠仁さま=2024年11月26日、東京都文京区の豊島岡墓地

国連勧告は「お節介」と専門家

 社会の価値観が大きく変わるなかで、皇室に向けられる視線も、以前とは違ったものになっている。

 たとえば、秋の園遊会前日の10月29日には、女性差別撤廃条約の実施状況を審査する国連の女性差別撤廃委員会(CEDAW)が、「男系男子」が皇位を継承することを定める皇室典範について、「改正をして男女の平等な皇位継承を保障すべき」とする最終見解を公表した。

 これを受けて、林芳正官房長官は翌日の記者会見で「大変遺憾だ。委員会側に対して強く抗議をするとともに削除の申し入れを行った」と述べたが、CEDAWの指摘に対して国民のあいだでも賛否があった。

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