自分が心底面白がれるものを書く
ただ私の場合はそこそこ器用にたくさんの記事を書いていても、二、三年で自分に飽きてしまうため、多少不安定で、三日かけて書いた二章分を全部消してしまうような時があっても、まれにでいいから自分が心底面白がれるものを書けるほうが性に合っていると思い、形にならない日が続いてもあまり焦らないようにしています。とはいってもそれを仕事にしている以上、一年で一枚の時があってもいい、とか、十年休載してもいい、みたいな特殊な人気漫画のようなことを言うには厳しいものがあります。
気乗りしない時でも、かならず一日一文字以上は書く、いまいちな出来であっても書き上げたものはとにかく一度編集者に見てもらうというのが、少なくとも仕事として書いていくにあたって私が維持したい姿勢です。安定して量産する時に書いたものは気に入らないものが多いとはいえ、一文字も書けない日が続くような時期に書いたものもまた、いまいちなことが多いからです。