Kアリーナ横浜までの道では、信号が赤になるたびにこの大行列。列の中に知り合いを見つけ、「お久しぶりです!」と声を掛け合う姿も

 ただ、当時の歌謡界はアイドル全盛期。娘から「マッチもちょっと好きだったよね」と、近藤真彦に“浮気”していた過去を突っ込まれていた。

 20年以上前の夏にあった野外ライブには、2歳半だった長女の手を引いて参加し、今回のコンサートに一緒に来た次女は当時、お腹の中にいた。家族4人の夏の思い出は、いつもTHE ALFEEの夏イベだった。

 最近はチケットの争奪戦が熾烈で、家族4人分をなかなか確保できないが、2枚取れたときは今回のように母娘で仲良く楽しんでいるのだという。
 

支えてくれたファンに感謝

 会場の近くでは、「還暦」と金色の文字で書かれた赤いキャップをかぶった女性の周りに、さまざまな年代の女性が集まっていた。

「久しぶりー!」

「台風、大丈夫だった?」

 SNSでつながった、全国各地のTHE ALFEEファンの女性たちだ。キャップの女性は今年5月に還暦を迎え、コンサートのために新潟から駆けつけたという。

 今までは子育てで忙しく、地元近くであったコンサートにしか行けなかったが、最近ようやく「遠征」ができるようになった。

 結婚や出産、子育てなどによってファン活動を「お休み」する女性が少なくないため、「コンサートに行く女性ファンが減る」という噂を耳にして心配していたという。

「私が子育て中もTHE ALFEEを支えてくれていたファンに、感謝しかない」

 と、女性は繰り返す。

「THE ALFEEの3人も70歳、69歳になるまで50年続けてくれて、元気でいてくれてありがとう。ファン復帰組さん、これからも待ってるよ!」
 

 長いブランクの後に戻ってきたファンの前に、「あのとき」と変わらないTHE ALFEEの3人の姿がある。50年という年月を歌い続けてきた重みが、ファンの言葉から伝わってきた。

(AERA dot.編集部・太田裕子)

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