渡邉晃瑠(わたなべ・こーる)/日本製鉄堺ブレイザーズ:ミドルブロッカー、身長193センチ、2000年生まれ、ハワイ出身(写真:長田洋平/アフロスポーツ)

 STINGS愛知では日本代表の司令塔でもあるセッターの関田誠大、ミドルブロッカーの高橋健太郎、オポジットの宮浦健人がプレーしており、やはり日本代表の選手たちが在籍しているチームの好調ぶりが目立つ。開幕前、高橋藍が所属するサントリーは期待が高かったが、チームとしてはまだまだ改善点がありそうだ。

 今後、注目していきたいのは、4年後のロサンゼルス・オリンピックを見据えた若い世代の台頭だ。なかでも、昨季の最優秀新人賞を獲得した渡邉晃瑠(日本製鉄堺ブレイザーズ)に注目したい。ハワイ大学出身で193センチとミドルブロッカーとしては上背が物足りないが、勘どころの良いブロックを見せる。また、兄の飛勇はバスケットボール選手で、現在はBリーグの信州ブレイブウォリアーズでプレー。兄弟そろってスター性もある。

 また、日本の生命線といえるのがセッターのトスワーク。昨季の優勝チーム、サントリーの大宅真樹は代表では活躍の機会に恵まれなかったが、国内での評価は高い。リーグ序盤では、やや後手に回ったが、今後、サントリーが上位に進出していくためには大宅のトスワークが欠かせない。

27年の完全プロ化を

 渡邉のような「期待枠」の選手たちのレベルを上げるためにも、30年までに世界最高峰のリーグを目指すという目標を達成したいところだが、実現するためには、様々な課題がある。SVリーグの大河正明チェアマンはこう話す。

「バレーボールは世界的に見ても飛び抜けたリーグがなく、日本は世界最高峰のリーグを目指すことができる可能性を持っています。SVリーグとなる以上は、完全なプロ化の議論を着実に進めていきたい」

 大河氏は14年にJリーグの常務理事、15年にはBリーグの代表理事を務めており、プロ化のメリットを十分に把握している。まずは27年までの完全プロ化が達成されるかどうか、注目していきたい。

 各国のリーグを見てみると、やはり現状では、ヨーロッパの方がリーグは充実している。もともと石川、高橋にイタリア行きを強く勧めたのは、日本代表のフィリップ・ブラン前監督だった。その理由を前監督はこう話す。

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バレー部員は増加